日本では原料として以前は天津綿(中国綿)が主として用いられていましたが、今日ではインド・パキスタンなどで栽培されるデシ綿(desi:在来種の意)が大部分を占めています。アメリカ産・エジプト産の綿に比べて、繊維が短く、太く、ネップが少なくなっています。アメリカ・ドイツなどでは上質の紡績落綿も使用しているといわれています。
製法には次の2つの工程順序があります。
さきさらし(前晒)方式
あとさらし(後晒)方式
※前晒方式は欧米で主に行われ、日本は後晒方式が主流となっています。
混打綿工程
解綿機 bale breaker、開綿機 opener、打綿機 scutcher などを使用し、数種の綿花を調合し、圧搾されている綿花をほぐし、混在物・塵挨などを除去する。
すき綿工程
すき綿機 card の表面に巻いてある針布の作用によって繊維をすきほぐし、一定の方向にそろえ、かつ、短繊維や混在物を除去する。
精練漂白工程
綿をかまに入れ、水酸化ナトリウム溶液中で煮沸脱脂し、次亜塩素酸塩や過酸化水素水で漂白する。次いで薄めた硫酸また塩酸浴を行い水洗いする。
乾燥工程
熱風乾燥法が採用されている。乾燥時の温度及び時間が不適当であると、製品が黄色になる傾向がある。